借地権付き建物の売買における敷地の欠陥

借地権(建物敷地の賃借権)の売買

建物及びその敷地の賃借権の売買後、土地の欠陥について売主は契約不適合責任を負わないとした。

平成3年4月2日最高裁判所第三小法廷

建物とその敷地の賃借権とが売買の目的とされた場合において、右敷地についてその賃貸人において修繕義務を負担すべき欠陥が右売買契約当時に存したことがその後に判明したとしても、右売買の目的物に隠れた瑕疵があるということはできない。

判例

  • 借地権の売買においては、売買の目的とされたものは、建物敷地そのものではなく、賃借権である。
  • 賃貸人の修繕義務の履行により補完されるべき敷地の欠陥については、賃貸人に対してその修繕をすべきであって、売買の目的物に瑕疵があるということはできない。

賃貸人に対して、右修繕義務の履行を請求し、あるいは賃貸借の目的物に隠れた瑕疵があるとして瑕疵担保責任を追及することは格別、売買の目的物に瑕疵があるということはできない。

敷地の欠陥

売買の目的物が土地ではなく、借地権である。土地に欠陥があったとしても目的物である借地権に欠陥があることにならない。売主は契約不適合責任を負わないとした。